生理的局所冷却法(アイシング)という考え方
このページの要約
痛みや炎症の多くは「熱のコントロール不全」から始まる
シップや感覚的な冷却では、熱は十分に処理できない
氷と水を使った冷却は、身体の回復環境を整える手段である


自宅でできる自己養生、それが「氷」でのアイシングです
メジャーリーガー、大谷翔平選手がマウンドを下りた後、大きなバックを肩に当てている光景をご覧になられたことはありませんか?
それは、
身体の熱を速やかに取る必要性を理解しているからです。
痛みのある場所のアイシングを継続する理由は、そこにあります。
やかんにシップを貼って、冷やせますか?
突然ですが、想像してみてください。
沸騰しているやかんにシップを貼って、冷やすことはできるでしょうか?
答えはもちろん「NO」です。
沸騰したお湯を冷やすなら、
- 氷を入れる
- 水で薄める
このどちらかを行います。
シップは、薬剤や冷感材(メントールなど)で炎症成分を抑えようとしますが、熱を十分に取り除く力はありません。
おにぎりを例に考えてみてください。
握りたての温かいおにぎりが2つあるとします。
- ひとつはラップで包む
- ひとつは裸で置く
どちらが早く冷えるでしょうか?
答えは明らかです。
シップを貼るという行為は、身体をラップで包むのと同じ状態を作ります。
身体は常に「熱を捨てよう」としています
人の身体は、
- 汗をかく
- 息を吐く
- トイレで排泄する
- 皮膚が温かい
これらすべてによって、常に熱を外へ捨てようとしています。ケガをすると、さらに多くの熱を捨てようとします。しかし、状態がひどくなると熱を出すことすらできなくなるのです。
熱のコントロールを行うのが「冷却」です
そこで必要になるのが、氷と水を使った冷却です。
熱をコントロールすることで、身体は正常に働きを取り戻し、回復機能を発揮できるようになります。
科学的に見た「冷やす意味」
人の身体は、水・タンパク質・脂肪でできています。骨の約半分はタンパク質です。熱が過剰に蓄積した状態で長年放置すると、タンパク質は「熟変性」を起こします。これは、卵がゆで卵になると元に戻らないのと同じ変化です。関節の変形も、この熟変性が関係しています。
身体は「卵」と同じタンパク質でできている
卵を温め続けると、元には戻りません。ヒヨコに孵すこともできません。鮮魚や精肉を温めて保存する人はいません。低温で保存するからこそ、鮮度が保たれます。
人の身体も同じです。
熱がこもった状態を続けることは、組織の破壊につながります。熱エネルギーの処理に困っている患部を温めることは、もっての外です。
アイシングは「すべて同じ」ではありません
誤ったアイシングによって、凍傷(冷却によるやけど)が起こることがあります。
アイスノンや保冷剤は高分子吸水ポリマーを使用しており、マイナス温度になりやすい特徴があります。
- 凍ったままの保冷剤
- 表面に霜がついた氷
これらを直接当てると、0℃以下のエネルギーが加わり、凍傷を起こします。温めによる低温やけどと同様、注意が必要です。
捻挫やぎっくり腰が「早く治る理由」
強く足をひねったとき、足が一気に腫れることがあります。これは、治ろうとする反応でもあり、同時に熱の暴走状態でもあります。
このとき、患部の裏表を全面的に冷却すると、一部分だけ冷やすよりも約2倍のスピードで回復が進みます。
トップアスリートが冷やす理由
大谷翔平投手、ダルビッシュ有投手をはじめ、トップアスリートは投球後、必ず肩・肘・膝をアイシングします。
理由は明確です。
- 関節や靭帯を壊さないため
- 関節内の滑液(潤滑液)をサラサラに戻すため
プロとして最高のパフォーマンスを維持するために冷却を行っています。
整体イバラキの森がオススメする
生理的局所冷却法
冷却は、
- 足首の捻挫
- ぎっくり腰
- 寝違え
- 膝の半月板・靭帯損傷
- 変形性関節症
など、急性・慢性を問わず幅広く用いられています。
冷却・アイシングは、初めての方には受け入れにくい方法かもしれません。
しかし、
原因から身体を診る治療を行うために、
冷却は重要な選択肢です。
治る力
それを維持する力
**「復元力」「安定力」**を引き出すために、
冷却は欠かせない工程と考えています。
